こんにちは。
ようこそ、いらっしゃいませ。
前回は、調律年数が空いてしまったピアノ調律をどのように依頼したらよいかを、気になる費用と調律師の探し方を含めてアドバイスさせていただきました。
今回はピアノ調律の作業内容と、お客様に空けておいていただきたい時間について、アドバイスさせていただきます。
ピアノの調律の作業内容と所要時間
ピアノの調律は、年に1~2度、定期的に行っていただくことでピアノを長持ちさせ、良い状態に保つことが出来ます。
使用しなくなると費用をかけて調律する意味がないと考えたり、延び延びになっていくものですが、10年、20年という長い目で見た時、毎年メンテナンスされているピアノは明らかに長持ちしていますし、内部もきれいな状態が保たれています。
「ピアノ調律」とは、音を合わせること。ですが、調律師が調律作業と称して行う内容は、音を合わせるだけではなく、アクションの動きが潤滑に動くように、決まった寸法に88鍵すべてをそろえる整調という作業も含まれています。
調 律
鍵盤は88鍵、音も88音。弦は230~40本ほど張られています。
弦一本が張られている張力は70~80㎏。総張力は約20トンほどになります。
写真は、アップライトピアノのチューニングピンです。
弦と同じ数だけあるチューニングピンを一本ずつ、チューニングハンマーで微妙に少しずつ回し、音と音の間に発生する波(唸り(うなり))を聞き分け、弾かれる方がストレスなく練習出来るように音を合わせていきます。
音の高さには基準があります。
国際基準の標準ピッチといわれる音の高さは、A=440Hz(ヘルツ)です。
NHKの時報の、♬ポ・ポ・ポ・ポーンの音が、A=440Hzです。
近年、オーケストラが使用しているピッチがA=442Hzであることから、コンサートホールのピアノもA=442Hzであることが多いです。弦楽器を弾かれる方や、声楽を学ばれる方もご自宅のピアノをA=442Hzでとご希望されることが多いようです。
どう違うかを、言葉でお伝えするのは難しいのですが。
同時に440Hzと442Hzを鳴らした場合、1秒間に2回「うゎんうゎん」と唸りが聞こえます。
今度、調律師さんに会ったときに、聞かせてもらってください。
一般家庭での練習用のピアノは状況やご希望にあわせて、A=440~442Hzの間で調律します。
整 調
打鍵しながら不調なところは無いかを、目と耳と鼻と指先の感覚も使い、アクションが滑らかに動くように点検し整調していきます。
サビやカビの発生がないか、フェルトに虫が付いていないか、パーツが破損していないか等を調べます。
鍵盤の高さを揃え、深さを揃え、鍵盤とアクションの間にすきまがあると打鍵のエネルギーがきちんと伝わらないので、ここもキッチリ整えます。
きれいに連打出来るかも重要なポイントです。
ハンマーが打弦したあと音が伸びるように、鍵盤を離したあと音がきれいに止まるように調整します。
ペダルを踏んだ時も、同時に音が響くように、離した時には揃って止まるように調整します。
ピアノの年齢や状況で難しい場合もありますが、少しでも良い状態になるように微調整を繰り返し、弾かれる方のご要望をお聞きし、ご希望に添えるよう作業を行います。
また、わずかな雑音や鍵盤の動きの違和感が気になり、練習に集中出来なくなってしまうことがあります。雑音の発生は様々な原因で起きる症状です。作業中に確認された場合は原因を探して修理します。
ピアノの調律の所要時間
定期的に行うピアノ調律にかかる時間
一年に1~2度、定期的に行うピアノ調律の時間は1時間半から2時間で終了します。
3年以上期間が空いたピアノ調律にかかる時間
期間が空いてしまったピアノの場合、定期調律の2時間+約1~2時間程度かかることがあります。
前回調律されてからの経過期間、使用量。温度と湿度の状況などによりピアノの体調は異なります。
前回からの年数が経過していくことにより、点検が必要な箇所が増えます。張力のバランスの崩れも大きくなります。音の保持力も低下していますので、作業時間は必然的に長くかかります。状況により、作業内容の説明があると思いますので、合わせてご対応いただければと思います。
作業を始めて、点検しているときなど、そばで一緒に見ていると良いと思います。居ずらさを感じた時は、ひとこと!「見ていていいですか?」と、声をかけてください。
ピアノはお客様の大切な楽器です。状況を知るためにも、ご興味を持っていただいて、一緒に見ていただきたいと思います。
まとめ
今回は、ピアノ調律の作業内容と、空けておくべき時間はどのくらい必要かという内容で、調律と整調について書かせていただきました。
いかがでしたでしょうか?調律師さんが来られた時、唸りを聞かせてもらってはいかがでしょうか?一秒が一瞬ではないことが感じられるかもしれません。
内容が、お役にたてれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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